本建物は工業用部品や電力用製品の製造販売を行う企業の営業本部として新築された地下1階、地上7階建ての事務所ビルです。営業本部となる建物であることから、ファサードに特に力を入れ、ガラスカーテンウォールおよびV字の柱にてデザイン性の向上を図っています。地下1階部は駐車場、1階はエントランスおよび倉庫が計画されています。3階以上には一般オフィスが計画されており、屋外部分には庭園など所々に緑化を計画しております。
構造計画概要
主要構造はS造とし、構造モジュールは4.4~11.95m×4.775~6.9mにて計画しており、X方向3スパン、Y方向6スパンとなっております。建築基準法上は地下1階、地上7階建てであるが、地盤との接地面積が75%以下であることから、構造上は地上8階建てモデルとして解析を行いました。
主架構に使用する本体柱は、建築構造用冷間ロール成形角形鋼管(BCR295)および建築構造用冷間プレス成形角形鋼管(BCP325)を使用しています。地下部の外周柱については、SRC柱を採用しており、SRC柱の鉄骨部ほか、大梁端部および片持ち梁などの完全溶込溶接を行う部分については、建築構造用圧延鋼材(SN400B、SN490B)の使用を基本としています。
ファサード部のV字柱については、一般構造用炭素鋼鋼管(STK490)を使用しています。
本案件はファサードに重点を置いており、特にエントランス側をスリムに見せるため、柱を2層に渡るV字型にし、円形の柱を採用することによりデザイン性の向上を図っております。
『SS7』利用方法
柱がV字型をしているため、「節点同一化」を用いて実状の配置となるようにモデル化を行いました。また、地下部分の外周柱はSRC柱としてモデル化を行い実状の形状どおり、鉄骨柱の断面を評価しています。この時、柱入力項目の「断面図」を見ながら入力形状に誤りが無いかを確認しながら入力できました。
別途検討項目
本案件はB1階(構造上1階扱い)が耐震壁架構であるため、1階床レベルでのせん断力移行が大きくなります。電算プログラム内では剛床として解析を行っていましたので、せん断力移行の確認を別途行いました。
確認審査時の指摘事項や対処方法
モデル化に関する指摘は特にありませんでした。