本建物は、関西圏に建設する基礎免震構造を採用した4階建て鉄骨造のデータセンターです。建物形状は、平面・立面ともに整形であり、平面規模は約240m×40m、延床面積は約3.5万m2、最高高さは約31mです。1~3階にはサーバー室・事務所・電気室などが配置され、4階は設備架台としています。建物のX方向(長辺)が長大であることが特徴です。
構造計画概要
重要度の高い施設であることを踏まえ、地震被害の最小化と事業継続性の確保を目的として、基礎免震構造を採用しています。地盤条件により告示免震の採用が困難であったため、耐震性能の確認は時刻歴応答解析により行っています。
架構形式はX・Y方向ともに純ラーメン構造とし、4階のY方向(短辺)はブレース構造を併用しています。
基礎形式は、既製コンクリート杭を用いた杭基礎としています。
『SS7』利用方法
上部構造と下部構造を分離し、『SS7 Premium』を用いてそれぞれを個別にモデル化して設計しています。
上部構造については、別途ソフトウェアにより予備応答解析を実施し、応答層せん断力係数を包絡する設計用層せん断力係数を決定した上で、『SS7』に設計用層せん断力係数を直接入力して上部構造の許容応力度設計を行っています。
下部構造については、慣性力による応力に加え、『SS7 Premium』の機能を活用し、応答変位法により地盤変位に起因する応力を考慮しています。支持層に起伏があるために杭長にばらつきが生じ、結果として基礎部に平面的なねじりが生じる可能性がありましたが、『SS7』の解析結果により基礎部の節点変位を確認し、別途ソフトウェアで求めた免震層の節点変位との相対関係を確認し、免震部材の安全性を検証しています。
別途検討項目
本建物は建物長さが200mを超える長大建物であるため、温度荷重の影響を考慮しています。温度条件の設定によっては温度応力が地震応力を上回る可能性があることから、荷重指針を参考に、温度荷重と地震荷重に対する荷重係数を設定して検討を行いました。従来は『FA1』を用いて複数の温度応力解析を行い、その後、別途のソフトウェアや手計算にて断面算定を行っていましたが、本件では『SS7 Premium』の荷重係数設定や複数起動機能、最大10個の結果保存機能を活用することで、温度応力解析から断面検討までを一貫して実施し、設計の効率化を図りました。
その他
免震部材の鉛直ばねや付加応力(P-δやQ-hによる付加曲げ)は、オプション機能を使用せずに『SS7』の標準機能を活用して検討を行いました。そのため、上部・下部構造のそれぞれへの入力および内容確認に多くの手間を要しました。『SS7 Op.免震部材』はこれらの機能が備わっているため、次の案件では導入を検討したいと考えています。













