一貫構造計算ソフトウェア
Super Build®/SS7

実例集

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物件データ
Building Data
用途
オフィスビル
構造種別
RC造[PRC]
階層
地上12階 地下1階
設計
株式会社ANDO Imagineering Group
/AIG(東京都)

導入のきっかけについて

きっかけという言葉が不要なくらい、事務所組織の規模に関係なくいろんな組織が手にしている日本を代表する構造計算ツールだと思います。ユニオンシステムの行っている設計コードのプログラム化は、賛否両論あるとは思いますが、間違いなく日本の構造設計者における仕事のモノサシとなっており、構造設計の実践方法の裾野を拡げていると思います。
私自身が事務所設立前はMIDAS ITにおいて、『midas Gen』の設計機能の日本仕様の企画開発(『midas iGen』、『midas eGen』)を行っており、日本の構造解析業界の巨人である『SS3』のsolver、Pre、Postの各機能について、徹底的に分解、分析を行っていた当時からユニオンシステムのプログラム処理はよくできているな。と思っていました。特に非線形解析の処理時間の短さは、『midas Gen』のsolver担当チームも「なんでこんなに早いの?!」と舌を巻くほどであり、それが『SS7』になって4並進になり、コンピューターの能力の活かし方が、市販ソフトとしてはNo.1だと思います。構造設計の仕事の裾野という話で言うと、『SS7』というある意味完成度が高い便利なプログラムは、構造設計者の立ち位置を二極化していると感じています。それは構造設計の先達方が言っていた言葉を借りるまでもなく、「プログラムを使う人」と「プログラムに使われる人」に分かれると思います。そのどちらがいいとかという話ではなく、それぐらい構造設計者のスタイルに影響を与えるツールだと思っています。私自身も日々助けられており、断面算定から保有水平耐力の検討までの構造設計における最も煩わしいとも言える構造計算を伴うスタディをパラメトリックにある意味代行してくれることで、「何を作るべきか?」や「どのように作るか?」という答えのないテーマに時間を費やすことができているため、手放せないツールであります。
(安藤 耕作 氏)

具体的な使用例について

このプロジェクトは、麹町に計画した地上12階、地下1階建てのオフィスビルです。クライアントは私の友人の不動産開発者で、構造と意匠の設計の両方をAIGで行っています。
敷地は間口の前後面に道路、長手は両側の建物に挟まれており、西側の隣地建物の敷地が凸形状で、こちら側は凹型というユニークな形状となっています。設計はこの不整形な敷地に対して、500mmセットバックした形状をそのまま建築の平面形状としています。そのため、構造的には2つのボリュームを立ち上げて、その間をつなぐような構造計画としています。さらに都心部の狭小地でよく直面する問題ですが、新しく柱を置きたい位置には必ず既存杭があるため、杭を抜くか複数本配置をして、柱に対して偏心させるようなことが必要になるため、それらの根本的な解決のために、既存杭がないスパンの中央部に柱を設けて、それらを片持ち梁でつないで、直交する柱とラーメン架構を形成するという立体的な架構となっています。結果的には四隅には柱がなく、一般的な4本柱ラーメン構造の構造体と開口の関係を反転したような架構としています。このような条件に向き合って生まれた架構形状は、不整形な形状にも対応できるユニオンシステムの『SS7』を用いて保有水平耐力計算を行うことで、初期のイメージに近い結果で設計をやりきることができています。

設計のポイントは、柱、梁にPC鋼棒、PC鋼より線を配置したPRC造なので、プレストレスを考慮した終局耐力を直接入力して保有水平耐力計算を行っています。PRCのルート3bの場合、一次設計の応力を割り増して設計を行う終局強度設計を行う必要があり、その解析は『midas iGen』を使用しています。2つのプログラムを使い分けているのですが、最終的にはやはり保有水平耐力計算の方で部材耐力の全体のバランスを調整する方に苦労し、その上PRC造特有の鉄筋、PC鋼棒、PC鋼より線との納まりを整理しながらスタディしていく必要があり、『SS7』のように解析スピードが速く、アウトプットをさまざまな側面から確認できるツールのおかげで、納まりと解析のフィードバックもスムーズにできました。このような不整形な架構だと、当然内部の建築計画の調整もシビアで、そのフィードバックも必要でしたが、チーム一丸でこの敷地に対し真摯に向き合い実現できたプロジェクトです。(田邉 俊貴 氏)

プログラムの品質について

解析処理のアウトプットが構造設計業界と建築確認業界(そんな業界あるか?)のスタンダードになっているように思います。そのため、感じるのは「アウトプットボリュームが多いな。」というものです。最近は、電子申請が増えており、以前のようなやった感のかたまりの紙の束を持ち込むような必要性が減ってはいるものの、過渡期であり、当面は存在感があります。紙媒体への自動出力のポスト処理機能が開発上、最も大変なのは理解しているつもりではありますが、出力内容はリストで済むような内容もあるので、そのあたりのカスタマイズができるとよりいいように思います。
プログラムの開発企画を担当していた経験から言うと、プログラムの十分条件は、モデル化された内容の解析処理を正しく行うことであり、その点においては、数値が追いやすい『SS7』の品質は素晴らしいと思います。次に、解析内容の便利なアウトプット(Post)機能の話があると思いますが、それは設計者が如何ようにでも補足すればいいいわけなので、最低限のアウトプットとしては満足度が高いと思います。入力(Pre)機能も『SS7』になってからだいぶ改善されたと感じています。

ユニオンシステムのプログラム更新のスピードとその責任感は、素晴らしいと思います。しばらく『SS7』を使う機会がなくて、久しぶりに立ち上げて、バージョンアップが成されていると、「おーそんなに使っていなかったか」と思うと同時に、「更新がしっかりなされているなぁ。」と感じます。
もう1つ思うのは、ユーザーマニュアルの解説書“計算編”のまとまり具合です。代表的な評価式の場合、わざわざAIJ、BCJの指針をいきなり開くより、解説書の方が網羅的にまとまっているため、「大きい内容は解説書を読んで、それを目次として詳細な内容は各指針を読み込んで理解する。」みたいなことを半人前のころにはよくやっていたと記憶しています。そのくらい解説書はよくまとまっていると思います。(安藤 耕作 氏)

その他、ユニオンシステムに対するご意見、ご感想があれば教えてください

導入に際してのコストでしょうか。というのは冗談で、特にはないですね。
もちろん、CADのようにCAE(コンピューターを用いたエンジニアリング)が成されれば言うことはないですが、その部分はある意味で慣れもあるので、そのことで設計活動が飛躍的に効率化することはないと個人的には思います。その設計フェーズに応じた検討方法があるのは当然なので、『SS7』はその最終盤に登場する真打ちのようなものなので、『SS7』に今後期待するのは、最初期のまだ仕事になるかならないかのフェーズの、建築の専門ではないクライアントへのプレゼン効率を上げるような支援機能、もしくは、ビルディングに特化したようなボリュームのみを指示すると最適構造解が立ち現れるような、AIとリンクした機能のようなものがあるといいかもしれません。ですが、そんなものがもしできたら、構造設計者の仕事がますます無くなるので、骨抜きや淘汰どころか構造設計者の存在自体が危ういとは思いますが、近い将来には、誰かがそれをやるわけなので、それをできる可能性を秘めているユニオンシステムの『SS7』は、日本を代表する構造計算ツールだと思いますし、優秀なプログラムが構造設計者の活躍の裾野を拡げていると感じています。(安藤 耕作 氏)

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