本建物は平屋建ての工場建屋であるものの、最高高さは20mを超えています。建屋内には90t・45t・15tの大型クレーンが合計6台設置され、走行します。
構造計画概要
主要構造は鉄骨造とし、X方向はブレース構造、Y方向はラチス材を有する組立柱を採用しています。
大型クレーンは上下2段に配置され、1階床には150tのプレス機を設置する計画です。
プレス機は稼働時に振動が発生するため、プレス機を支持するスラブは周囲の土間コンクリートと縁切りを行い、フラットスラブ形式の杭基礎として支持しています。
『SS7』利用方法 その1
ラチス材を任意配置ブレースとして入力するため、ラチス節点ごとにダミー層を設定し、実状に合わせたモデル化を行っています。
1本部材ごとの指定を視覚的に確認できるため、実際の材長や補剛間隔(強軸・弱軸とも)についても、想定どおりの値となっていることを把握しやすい点が有用でした。
ラチス材にはCT部材を使用していますが、任意配置ブレースとしては直接登録できないため、等価断面積のH形鋼として入力しています。
ただし、CT材の断面二次半径が実際の構造と合わないことや、突出部h/2の控除を自動計算できない点については、直接入力により対応しています。
『SS7』利用方法 その2
柱・梁の寄りを細かく指定できるため、実態に即したモデル化が可能です。
本建物では上下柱で強軸方向が90度回転しているため、図のとおり10mmのずれを考慮して入力し、上部柱のフランジ芯と下部柱のウェブ芯が一致する納まりとしています。
このモデルを『SS7 Revit Link』を用いてBIMデータへ変換することで、実状どおりの寸法で図面化が可能となり、作図作業の省力化につながっています。
『SS7』利用方法 その3
大型クレーンが建屋内に偏在しているため、クレーン位置によって建物の重心位置に大きな影響があります。
クレーンは計6台あることから、重心算定パターンは多数存在します。
そこで、特に危険側と考えられる5パターン(平面的に左上・右上・中央・右下・左下)について、クレーン荷重条件を変えながら検討を行いました。
特殊荷重の「ゾーン指定」を活用し、5パターン分の条件をあらかじめExcelで整理しておくことで、貼り付けるだけでクレーン位置に応じた重心算定が可能となっています。
実際の設計では、これら5パターンに加え、杭の施工偏心を考慮した事前検討も随時行っており、検討量は非常に多くなりました。
その他
確認申請時において、大きな指摘事項は特にありませんでした。
一貫計算結果の妥当性についての質疑はありましたが、応力図および変位図を提示することで理解を得られています。
また、計算作業以上に鉄骨の納まり確認には苦労しました。
『SS7 Revit Link』を使用して3Dモデル化を行い、構造図の作成や接合部PL等のモデル化を行ったことで、立体的な納まりの確認が可能となっています。
その過程でブレースが納まらない箇所を発見し、『SS7』上でブレース断面を変更しましたが、差分変換機能により構造図への反映もスムーズに行えました。











