本建物は某サッカークラブチームのためのホームスタジアムである。1階に選手エリアやスタッフ諸室、2階以上に会議室や客席が入る構成である。7.2mの基準スパンで階高は3m前後の本体架構に約20mの片持ちの屋根トラス架構が載っている。
構造計画概要
屋根は建築計画や周辺環境との調和をコンセプトに緩やかに曲げた平行弦トラスと山型の補剛材で構成している。その屋根を支持する構造は将来の拡張性や建築計画上のフレキシビリティを最大限高めるためにシンプルなラーメン架構とし、架構を支える基礎は地盤が良好なためべた基礎を採用している。
『SS7』利用方法
本計画では屋根の平行弦トラスを含めて基礎までの全ての範囲を『SS7』でモデル化し、許容応力度計算、保有水平耐力計算を行っている。屋根トラスのラチス材、方杖材はブレース要素としてモデル化を行い圧縮、引張に対して耐力を適切に評価している。
柱はBCP、BCRを用いており、柱脚には既製品の露出柱脚を用いて『SS7』及びメーカーの柱脚計算ソフトにて検討を行っている。なお、設計当時、『SS7』には温度荷重、固有値解析に対応するオプション(OP)が備わっていなかったため社内独自のツールを用いて汎用フレーム解析ソフト(Midas iGen)にコンバートを行い温度荷重の評価、屋根の水平動、上下動の評価を行っている。
別途検討項目
設計当時、『SS7』には温度荷重、固有値解析を行うOPが備わっていなかったため社内のデジタルテクノロジーを専門に取り扱うSワークスが開発したSTBデータをMidas iGenのinputデータにコンバートできるツールを開発し温度荷重による鉄骨架構への影響を評価している。
また、空間構造の屋根の水平震度、上下震度については慎重に定める必要があることからMidas iGenによりモーダルアナリシスを行い固有モードを考慮した地震荷重を算定し『SS7』によるAi分布と比較し大きい方の値を採用し保有水平耐力計算を行っている。
確認審査時の指摘事項や対処方法
確認審査では、上部架構については特に大きな指摘はなかったが、基礎について何度かやり取りが必要な指摘を受けた。今回べた基礎を採用しているが『SS7』上は柱位置に支点がモデル化された状態で基礎の計算を行うがこの建物の一部(サイドスタンド)の柱スタンスが狭く浮き上がりが生じる箇所がありその評価について審査機関と議論を行っている。本PJでは結果として表計算ソフトを用いて柱の変動軸力と基礎のカウンターウエイトによる基礎の偏心を計算する別途検討を行い許認可を得ている。
その他
Sワークスが開発したツールのみならず、昨今普及しているサードパーティーのデジタルツールについて普段から積極的に活用している。特に右に示すHiron氏が開発したHoary Foxは『SS7』から出力したSTBデータを3D CADツールRhinocerosのデータに変換できるため重宝している。
前頁に載せた構造ダイアグラムを始め、柱梁等の断面情報も付加された状態で意匠設計者にモデルを渡せるためBIMソフトの代わりにRhinocerosを用いて『SS7』で計算した仮定断面情報を共有したり意匠モデルとの整合性の確認に使用したりしている。











