『特別研究室パック』の導入事例

秋田県立大学

ソフトウェア

すべてのソフトウェアが利用できるところがすごく魅力的でした。

秋田県立大学

西田 哲也 教授、菅野 秀人 准教授

所在地:秋田県由利本荘市  業種:学校

ソフトウェアの主な利用方法を教えてください。

自主研究、建築学研究、卒業研究などで各自が自分の研究テーマに合ったソフトウェアを使っています。例えば、ある学生は、実際の耐震診断をやった学校での、コンクリート強度の関係性を卒業研究で取り組んでいて、『RC診断2001 Ver2』で行っていました。『SS3』を使い、一次設計レベルで検討したうえで耐震診断をやっていましたが、入力はすんなりこなしていましたからやりやすかったようです。

CT-F関係図
▲CT-F関係図

また、ある学生は、『FA1』と『FA1 Op.1』(静的弾塑性解析オプション)を使っていました。すごくシンプルなソフトウェアで使いやすいですし、弾性だけでなくちょっと塑性化したところを見たいなというところではすごく良かったです。具体的に言いますと、鉄骨造体育館建物の診断の前段階での検討、特にこちら(秋田)では雪が多いので積雪荷重がどう影響してくるか、積雪荷重によってヒンジ状態がどう変わってくるかなどテーマにやってきて、屋体基準の略算法で検討した場合と、ソフトウェアを使って精算的にキチンと検討した場合での比較を行いました。
結果的には、少し差が出てきますね。そういう意味では、“できるソフトウェア”というか検討可能な機能を有するツールを使った方が、正確なんだろうなってことですね。

増分応力図
▲増分応力図

学生さんたちの反応はいかがですか?

興味は持ちますよね。いきなり文献の公式等を提示して、じゃあこれをやりなさいと言ってもとっつきにくいし、とりあえずこれをやってみましょうと言ってソフトウェアからやり始めて、どうしてこういう結果が出てくるのか?聞いてみて、それならこの部分を個別検討してみましょうとか、何かしらキッカケがないと、学生もやろうって気が起きないのは確かですしね。
ソフトウェアを使うとブラックボックスになっているので、やっぱり不安なところもありました。本格的に導入したのは昨年からでしたが、学生時代にソフトウェアを使っていれば、ソフトウェアだけではなく理論や内容をセットで勉強しないといけないっていうのは分かるはずですが、社会に出て会社に入ってから使うと、中身がブラックボックスなので、結局中身をわからずに使ってしまっているという危険性があります。

マウス入力-3D図
▲マウス入力-3D図

学生のうちだったら、指導の中で手計算と合わせつつ、一回ソフトウェア入力をして解析させた結果に対して、手計算ではなんでこういう結果が出てくるのか検証することができ、そういうことを十分1年間かけてじっくりやることができます。学生の方も、初めからいきなりこれをやりなさいと言われても…何か初めに架構図や建物形状とかが出てきて、入力がしやすくて、その中でパッと結果が出てきたもので細かく見ていって、一回全体が見えた方がむしろ良いのかなって印象があります。いきなり手で細かい理論からやっていっても全体が見えなくて、やっていくうちにだんだんつまらなくなってしまって構造離れというか、構造設計の楽しさや面白味がわかる前にやる気が無くなり挫折する学生も多いのではないかって思うこともあります。やっていて「楽しい」と思わせる意味でもソフトウェアを使うメリットはあると思いますね。

3D作図
▲3D作図

ほかに導入効果はありましたか?

どれでもソフトウェアが使えるっていうのはすごくメリットがありました。今まででしたら、これだけならいいけど、ほかの機能や別ソフトウェアを使うにはさらに費用がかかりますとかありましたので、じゃあ止めておこうかってなるけれど、ある意味研究内容も同じことで、あのソフトウェアが使えるからこの研究をやろうかってことになるけど、ソフトウェアが使えないなら止めておこうとか、っていう制約がなくて非常に導入効果はあると思います。

アイコン
▲アイコン

学生にも、君はこのソフトウェアを使いなさい、君はこっちのソフトウェアを使いなさい、とか言いやすいですし。たまたま、他の研究室などを見ると、みんな同じソフトウェアを使っているの?って、何から何まで同じソフトウェアを使っていて、結局使っているソフトウェアに合わせた研究しかできないということもありました。テーマを幅広く設定できますから、このシステムは導入効果が大きいです。研究室パックを導入する前までは、振動解析関連のテーマは、BASICで組んだ自作ソフトウェアを使っていました。その他では、インターネットに接続できるハード環境があればどこでも利用できる点で、『Web License System』はとても便利ですね。

刺激関数
▲刺激関数

今は、いくつかソフトウェアを使っています。もちろんメーカーも違いますからインターフェイスもそれぞれ違います。御社の『FA1』でも『RC診断2001 Ver2』でも、もともとの『SS3』のインターフェイス等があってのことなので、多分、1つ使うと使い方がわかるので、使いやすいのでしょう。さらに、大学2年生からCADを授業で使っているので、モデルデータの入力に関してはむしろ教員よりも慣れているような感じがありますし、そこが、学生が馴染みやすい理由になっているのではないでしょうか。
学生がどういう研究テーマにするのかによって、ソフトウェアはいろいろ使うことはあると思います。あとは、「卒論はこのソフトウェアを使ってやりましたよ」って就職先で見せると、「じゃあ買ってみようか」ってなれば本当はいいんでしょうけれどね。

研究室
▲研究室

最後にユニオンシステムに対するご意見やご要望などありましたらお聞かせください。

最近の御社は、講習会に力を入れているようですが、地方開催が少ないですよね?有料でもいいけれど、ユーザーは半額とか少し優遇してもらえるともっともっと受けられる方は増えるのではないでしょうか?特に保有水平耐力の講習会について理解を深めたいという方はもっともっと多いと思います。また、学生に対しての入力をメインとした講習会なども面白いかもしれませんね。
研究室パックの導入は、全国で数十研究室が入っているとはいえ、もっともっと入れた方が良いと思いますよ。研究室が個々に分かれているとはいえ、最近は、研究室が巨大化して母体が大きくなってくるとテーマもそれぞれで多くなりますからね。

特別研究室パック
▲特別研究室パック

細かい研究ばっかりしている研究室にはなかなか導入は難しいかもしれませんが、やはり教育を目的として導入していくという目線がないと。入力では『SS3』を使いますが、一貫計算というよりも、それぞれのテーマは主眼として「耐震診断」であったり「振動解析」であったりで、『SS3』は建物データを作成するために使用することが多いかな。
できることならば、『SS3』の入力ライセンスだけでも複数使えればうれしいですけれどね。

本日は、ありがとうございました。

取材協力:西田 哲也 教授、菅野 秀人 准教授

会社概要

【 学校名 】
秋田県立大学
【 URL 】
http://www.akita-pu.ac.jp/index.htm
【 所在地 】
秋田県由利本荘市
【 研究内容 】
建築をシステムと捉え、幅広い視点で総合的に学び、研究しています。

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